ガジェットブロガー鳥羽 恒彰

「人とモノの交差点」を目指すメディア トバログの中の人 鳥羽恒彰

最近弊社の写真部隊が謎の気合を見せていて、毎回のように超アグレッシブで挑戦的な、ともすればやりすぎな写真を大量に上げてくるので、写真選びもしている僕としては非常に嬉し悩ましい日々です。

さて、そのアグレッシブ写真部隊も興味津々の今回のエクストルーマーは、透明感のある美しい「モノ」の写真が特徴的なメディア「トバログ」を運営している鳥羽恒彰さんです。以前は個人「ブログ」だったものが、なにゆえ「個人メディア」に変化していったのか、鳥羽さんがトバログ上に生み出す「人とモノの交差点」とは。ミレニアル世代の新しい発信の形を追求する鳥羽さんに聞きました。
イマムラ
イマムラ
「トバログ」って
鳥羽さん
鳥羽さん
はい
イマムラ
イマムラ
なんか某グルメサイトっぽいですよね。「食べログ」みたいな。
鳥羽さん
鳥羽さん
まぁ実際そこからインスピレーション受けてます(笑)。
イマムラ
イマムラ
あ、やっぱりそうなんだ。
鳥羽さん
鳥羽さん
もともとトバログって名前を思いついたから始めた、みたいなところありますね。4文字で音の感じもよくて、少し洒落が入ってるから覚えやすいと思って。
イマムラ
イマムラ
タイトルありきで始まったメディアですか。
鳥羽さん
鳥羽さん
でも、もともと本格的なメディアやりたいって思いはあって、そこに名前のアイデアが湧いてきたので「いける!」と思ってはじめましたね。
イマムラ
イマムラ
なるほど。率直な疑問なんですけどトバログって何なんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですねぇ。僕が個人でやってるテキストメディアっていうのはずっと変わらないんですけど。

モノ系、ガジェット系、旅系、ライフスタイル系のブログから始まっていて、徐々に変化してますね。
イマムラ
イマムラ
他はなんとなくイメージできるんですが、モノ系ってなんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
普段の持ち物とか雑貨とかファッションアイテム寄りのモノ全般って感じですかね。カバンとか財布とか小物系が多いですね。
イマムラ
イマムラ
モノが好きなんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
好きですね。お気に入りの持ち物とかってなんかテンション上がるじゃないですか。こだわり抜いた持ち物とかガジェットとか家具って自分の生活を充実させてくれると思うんですよ。
イマムラ
イマムラ
なるほど。
鳥羽さん
鳥羽さん
高校生の頃からモノ系の雑誌とかめっちゃ読んでたんですよ。モノ・マガジンとかデジモノステーション、アスキー、ポパイ、ブルータスなどなど。

世の男性の持ち物に関わる雑誌はだいたい全部目を通してましたね。
イマムラ
イマムラ
徹底している。
鳥羽さん
鳥羽さん
最初はゲーム雑誌みたいなところから始まってた気がします。小学生の頃とか、ゲームボーイのアクセサリの紹介とか読んで集めてましたね。僕の宝箱というか、好きなモノ達が集合しているのが楽しい、みたいな。
イマムラ
イマムラ
うんうん、なんとなくわかってきました。ブログを始めたのもそういう好きが高じて、みたいなことなんですかね?
鳥羽さん
鳥羽さん
それもあるけど、昔から身の回りの情報をまとめて発信するのが好きだった気がします。中学生くらいのときからですかね。
イマムラ
イマムラ
中学のときからインフルエンサーだったんですか。
鳥羽さん
鳥羽さん
モバゲータウンをもじってトバゲータウンっていうメールマガジンみたいなのをやってて。
イマムラ
イマムラ
ネーミングセンスが今と全く変わりませんね。

モバゲータウン:ディー・エヌ・エー社が運営するポータルサイト「モバゲー」の2011年までの名称。ガラケー時代のSNSを牽引していた。ミニゲームやアバターで遊べる、今見るととても趣深いモバイルサイトである。

鳥羽さん
鳥羽さん
モバゲータウンのフォーマットそのままでクラスでの出来事とかゴシップとかをネタにして、友達に配信したりしてましたね(笑)。
イマムラ
イマムラ
少年っぽさはありますけど、やってることの本質は今のブログと変わらないんですね。
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですね。プラットフォームとか媒体が変わるだけで、自分が面白いと思ったことを発信するってずっとやってる気がします。

mixiが流行ったときもmixi日記にガジェットのレビューとか書いてました(笑)。
イマムラ
イマムラ
なんかもう筋金入りって感じですね。今はトバログの運営で生活してるんですよね?
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですね。広告とか企業とのタイアップ、あと外部メディアでライティングとかもやってます。ちょっと前までは会社員をやりながらだったんですけど、独立して今は1人でやってますね。
イマムラ
イマムラ
子供の頃からの遊びが今につながってる感じしますね。本格的に「メディア」を意識し始めるタイミングってあったんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
大学に入ってからですかね。芸能人がブログをやって、そこで商品とか紹介するのが仕事になるっていうのをその時期に知って、自分も挑戦してみようって思ったのがきっかけですね。
イマムラ
イマムラ
同じようなことは昔からやってたわけですからね。
鳥羽さん
鳥羽さん
それで最初はガジェットを紹介するブログを始めたんです。大学生っぽいポップな文体で読みやすい感じにして。
イマムラ
イマムラ
今とはちょっとテイストが違いますよね。今はもう少しきっちりした書き方をしてると思うんですが。
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですね。 トバログは実は2つ目で、1つ目がその大学生ブログだったんです。
イマムラ
イマムラ
トバログはいつ生まれるんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
その頃にエンガジェットというテクノロジーメディアでインターンをしたんです。そこでプロの仕事とかガジェットに懸ける情熱と、自分自身の稚拙さを感じました(笑)。

Engadget(エンガジェット): 多言語で展開されている家電製品・ガジェットを取り扱うテクノロジーWEBメディア。業界の中でも特に本格派で、時流に沿った骨太の記事が特徴。

鳥羽さん
鳥羽さん
そういうことを経験したので、さらにしっかりした発信をしていきたいと思って、ついでに名前も思いついて生まれたのがトバログですね。
イマムラ
イマムラ
ついに!
鳥羽さん
鳥羽さん
トバログはよりガジェットのメインとなる購買層、つまり20~40代くらいの男性が読んでも楽しめるように、きっちりした書き方にしたんです。

ただの大学生が書くブログより、そこそこの大人が書いたブログの方が信用できると考えたんです。インターンで身につけたライティングのスキルも使って、本格的なブログにしようとしましたね。
イマムラ
イマムラ
やっていく中で変化とかありました?
鳥羽さん
鳥羽さん
いろいろありましたね。最初は前のブログと同じようにApple製品とかガジェットを中心に記事にしてたんですよ。

そのうち雑誌っぽい雰囲気を取り入れた写真を撮るようになって、その頃は「物欲を刺激するブログ」ってサブタイトルをつけてました(笑)。

透明感のある写真でガジェットを紹介するトバログ

イマムラ
イマムラ
物欲刺激したかったんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
ガジェットって電化製品なので機能とかスペックとかを取り上げる媒体が多いんですね。それはそれでよいと思うんですけど、僕は欲しいものを買うことによるエンハンスというか、生活の中で使っていてテンションがあがるとか、それを買ったことによる体験を重視してて、結構主観的な視点で記事を書いたりもするんです。
イマムラ
イマムラ
ほぅ〜
鳥羽さん
鳥羽さん
それって「欲しい!」って気持ちを刺激することだと思っていて、だから「物欲を刺激する」ブログにしてた時期もあります。

そういうスタイルが形になったのが1年半くらい前です。そこから記事と写真をブラッシュアップしていきました。
イマムラ
イマムラ
今はどうなんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
今はもっと「人」にフォーカスしているというか。
イマムラ
イマムラ
人ですか。
鳥羽さん
鳥羽さん
昔からやってるシリーズに「カバンの中身」というのがあって、僕のカバンの中身やいろんな人のカバンの中身を見せてもらってそれを記事にしているんです。
イマムラ
イマムラ
見たことあります。あれ面白いですよね。人のカバンの中身覗いてるみたいで
鳥羽さん
鳥羽さん
でしょ?その人の持ち物ってその人のライフスタイルとか好みとかこだわりとかが見えて面白いんですよ。

それで最近はトバログを読んでくれている読者の人たちからもカバンの中身を募集して取材したりしてるんです。その人の人となりとかも書いたりして。
イマムラ
イマムラ
ほんとに雑誌っぽいですね
鳥羽さん
鳥羽さん
そんな感じで、自分のことでも他の人のことでも「モノ+人」の記事を多く書いてるんです。例えば今日持ってるこのカメラなんですけど
イマムラ
イマムラ
それは…
鳥羽さん
鳥羽さん
Leica M10っていうカメラなんですけど、結構いい値段して。
イマムラ
イマムラ
ちなみにおいくらなんですか…?
鳥羽さん
鳥羽さん
まぁ…ボディとレンズを定価で買うと150万円くらいですかね…
イマムラ
イマムラ
車じゃん。
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですね。でも都内に住んでると車には乗らないし、「平成最後の夏だから」という理由でいつの間にか買ってました。

Leica M10 : ドイツのライカ社が製造しているフルサイズミラーレス一眼カメラ。コンパクトな真鍮製のボディはとても重く、ピント合わせは完全マニュアルのレンジファインダー、動画撮影はできない。油絵のようなこってりした写真が撮れることが特徴。

イマムラ
イマムラ
記事書くのにそんなに高いカメラが必要なんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
もちろん記事用に写真を撮る目的でも使ってるんですけど、普通に記事用のカメラを選ぼうと思ったらこのカメラは必要無いですね。

極端な話、スマホのカメラでも十分です。このカメラはピントも全部自分で合わせなきゃいけなかったり、動画が撮れなかったりいろんな意味で「不便なカメラ」なんです。
イマムラ
イマムラ
でも、買っちゃったんですね。
鳥羽さん
鳥羽さん
買っちゃいましたね(笑)。デザインとかもそうなんですけど、やっぱり撮れる写真に味があったり。

あとはこのカメラがきっかけで人との出会いがあるんですよね。「それライカですよね!私も持ってます!」みたいな人が結構話しかけてくれて、一緒にフォトウォーク行ったりしてるんです。
イマムラ
イマムラ
なんかいいですね、そういうの
鳥羽さん
鳥羽さん
モノってそういう出会いとかストーリーをしっかり持ってると思うので、そこをしっかり伝えていきたいですね。
イマムラ
イマムラ
鳥羽さんって
鳥羽さん
鳥羽さん
はい
イマムラ
イマムラ
要は脱サラ、フリーランスですよね?
鳥羽さん
鳥羽さん
要するにそうですね。
イマムラ
イマムラ
20代で独立って結構な決断だと思うんですよ。
鳥羽さん
鳥羽さん
あ〜
イマムラ
イマムラ
若いうちに独立する事に不安とかは無いんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
あんまりないですね。よく30歳くらいになったら独立したいって人がいるんですけど、ちょっとスパンが長いというか。
イマムラ
イマムラ
ほぅ。
鳥羽さん
鳥羽さん
チャレンジするなら早いほうがいいと思うんですよね。だって今が25歳で、例えば2年間やってみて失敗したとしても、まだ27歳。全然再就職には困らないし、また3年働いてもやっと30歳ですからね。そういう意味でチャレンジするなら早いほうがいいと思うんです。
イマムラ
イマムラ
今、副業とか注目されてるじゃないですか。そういう話の中で「ブログで稼ぐ」って結構出てくる話だと思うんですけど。
鳥羽さん
鳥羽さん
そうですね。多いと思います。
イマムラ
イマムラ
鳥羽さんとして何か思うところってあったりします?
鳥羽さん
鳥羽さん
独立も1つの生き方ですし、会社員やりながらブログ書いている人もたくさんいるのでどっちでも良いと思うんですけど、自分の個性を見つけて、それを出していくのはどう生きるにしろ大事だと思います。
イマムラ
イマムラ
個性ですか。
鳥羽さん
鳥羽さん
趣味とか音楽とか、なんでもそうだと思うんですけど、同じような趣向性の人たちって自然と集まるんですよね。会話の内容も通じるし、安心感もあるしそれって当たり前だと思うんですが、それだけでは没個性になってしまう気がするんです。

初めて見にくる人の多いブログで、内輪ネタ満載だったりとかすると、仲間同士は面白いんですけど、初めての人には何のことか分からないと思いますし。
イマムラ
イマムラ
確かにそういうことってよくありますよね。
鳥羽さん
鳥羽さん
だから「ブロガー」というくくりの人ばかりではなく、別の業界の人とか外部の人と積極的に会うようにしていて。参考にするのもウェブメディアとかブログだけじゃなくて、雑誌とか本とか、別の媒体を参考にするようにしています。

敢えて自分と関係の薄そうなところからインスピレーションを得て個性を出していこうと思っていますね。
イマムラ
イマムラ
やっぱりそうなんですね。
鳥羽さん
鳥羽さん
同じようなテーマに対して「それが個性だ」と考える人はたくさんいるんですよね。さっき話に上がった「副業ブロガー」ってキーワードもそうだし、「フリーランスで自由に生きていく」というのもそう。

だから僕もトバログを「ガジェットブログ」という軸で立ち上げるとき、ガジェットのブログはたくさんあったので、ある程度多くの人に読まれるようになってからイベントに参加したり、リアルな友人に公開していました。「さっきブログ始めました!」よりも「毎月10万人に読まれるブログです」の方が説得力もあるので耳を傾けてくれるんですよね。

でも、何かやりたいことがあるんだったらブログはやっておいたほうが良いと思います。自分を発信していくプラットフォームになるので。
イマムラ
イマムラ
鳥羽さんがこれからやりたいことってなんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
旅の話とかも結構書いていたので、日本の外から発信をしてみたいと思ってます。あとは「紙のトバログ」ですね。
イマムラ
イマムラ
なんですかそれ?
鳥羽さん
鳥羽さん
この間「紙のトバログ 電子版」の1冊目を出したんですけど。

紙のトバログ[電子版]

イマムラ
イマムラ
紙なのか電子版なのかよくわからないですね。
鳥羽さん
鳥羽さん
普段のブログを雑誌っぽいレイアウトでまとめてみたんです。ウェブとはまた違った見え方がして、面白いです。
イマムラ
イマムラ
なんでそんなこと始めたんですか?
鳥羽さん
鳥羽さん
うーん、やってみたかったから?(笑)
イマムラ
イマムラ
鳥羽さん
鳥羽さん
なんか面白そうだなって思って。うまくいくかはわからないけどとりあえずやってみるんですよね。

結局ブログもそうやって続いているものなので、新しいチャレンジとか遊びはやっていきます。だから最近は動画とかにも手を出し始めてます。
イマムラ
イマムラ
確かに、今の活動も遊びから始まってますもんね。
鳥羽さん
鳥羽さん
たとえそのチャレンジが失敗しても、ブログという文化が廃れていったとしても、コンテンツ作りはずっと続けていきたいですね。

取材・文:イマムラケンタ(@imamurider01

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鳥羽 恒彰
ガジェットブロガー
1993年生まれ、茨城県出身の福島県育ち。個人メディア「トバログ」を運営。学生時代からモノ、ガジェット分野の発信をブログで続け、エンガジェット日本版でインターンを経験。PR会社や事業会社でのマーケティング職を経て、2018年7月に独立。最近は、新しいカメラ「Leica M10」を購入して写真を撮るのが楽しそう。
鳥羽 恒彰さんが出演している動画
ガジェットブロガーのカバンの中身見せてもらいました