元陸上七種競技選手津吹 アイリ

悔しいから続けてきた。ただひたすらに競技に向き合ってきた元陸上七種競技選手

今回は元陸上七種競技選手の津吹アイリさんにお話を伺いました。

去年はテレビ番組でも活躍をするなど、「これじゃ生活できない」と気づいたことから引退後も活動の幅を広げていく彼女の陸上人生と今後の目標とは。
エクストボーイ
津吹さんは元陸上七種競技選手ということですが、現在はどのようなご活動をされているんですか?
津吹さん
津吹さん
私がずっと選手として関わってきた、陸上七種競技の知名度をちょっとでも上げるために、テレビ番組の出演をはじめ、いろいろなお仕事のお話を受けさせていただいています。

私自身のためというよりは、後輩のために、将来の選手のためになればいいなと思って活動しています。
エクストボーイ
詳しく伺って行きたいんですが、そもそも陸上競技自体はいつ頃からやってるんですか?
津吹さん
津吹さん
中学校1年生からですね。小学校で学区の連合運動会で高跳びに出場したのですが、それで2番だったのが悔しくて。

で、中学校に入ったら陸上部があったので入りました。中学では四種競技と走高跳を、七種競技は高校から本格的に行っていました。
エクストボーイ
中学校ではどうだったんですか?
津吹さん
津吹さん
全国大会では走高跳びで予選敗退という結果だったので、また悔しくて、高校に入っても続けてましたね。
エクストボーイ
悔しかったから続けられたんですね。(でも全国大会出てるんだな…)
津吹さん
津吹さん
そうですね。満足したら辞めてたのかなって。練習が辛くて、進学先を決めるときにはよく「辞める」って言ってはいたんですけどね(笑)。

高校3年生のインターハイ七種競技 800m

エクストボーイ
なんだかんだ大学まで続けてきてますもんね(笑)。
津吹さん
津吹さん
続けちゃいましたね。高校のインターハイでは、最終的に走高跳は7位で、全国U22でも4位だったんですよ。

もはや7位の時は悔しさより自分より高く跳躍する選手に感動していましたね。
エクストボーイ
え、感動ですか?
津吹さん
津吹さん
はい、なんかもうすごい人がたくさんいるんだなって。知らない世界があるんだなって思って続けてみることにしました。
エクストボーイ
それで大学に進学しても続けたんですね。
津吹さん
津吹さん
はい。陸上人生の目標として、日本選手権に出たかったんですね、でも50点ほど足りなくて。

今度こそ本気で諦めようと、辞めようと思ったんですよ。

※七種競技などの混成競技は、単純にタイムなどの順位で競うのではなく、各種目の得点の合計で順位を決める

エクストボーイ
あぁ、ついに…。
津吹さん
津吹さん
で、就職面接とか行くじゃないですか。「何したいんですか?」って聞かれて、陸上がしたいなって思ったんですよね(笑)。
エクストボーイ
あ、やっぱり辞めなかったんですね。
津吹さん
津吹さん
はい(笑)。それで、院に行っちゃえって!院では、日本選手権の参加標準を突破できて。

学部生の間に結構大きな怪我をして1年間リハビリしたこともあって、院では陸上選手としてやりきったなっていう実感がありました。
エクストボーイ
なるほど。でも、まだ陸上に携わりたいって活動されていますよね?
津吹さん
津吹さん
はい。選手を辞めたもうひとつの大きな理由が、これじゃ生活出来ないって気づいてしまったことだったんですよね。
エクストボーイ
そうなんですか?
津吹さん
津吹さん
陸上って言っても、私がやっている七種競技というのはまだまだ人気がなくて。

これで生活したいと思っても、私のレベルだと選手として生活が出来ないんです。

大学の後輩で、一緒にテレビ番組に出演していた速水さんとのオフショット

※テレビ朝日「超人女子」放送期間:2017年10月6日 – 2018年9月20日

エクストボーイ
なるほど、まだまだ知名度も低いですもんね…。でも魅力的なんですよね??
津吹さん
津吹さん
魅力的ですよ!競技終了とともに、達成感をすごく感じます。
エクストボーイ
七種競技のどれか1つにする気はなかったんですか?
津吹さん
津吹さん
1つの競技に絞ってももちろん良かったんですけど、私は考えすぎの飽き性で。走高跳だけやっていた時期もあって、それで全国U22で4位まで行けたりもしたんですけど…。

1つのものに専念すると、考えることも多くなるじゃないですか。それで記録が伸び悩むことがあって、スランプが増えて大変だったので。
エクストボーイ
七種競技は考えないんですか?
津吹さん
津吹さん
余計なことを考えている暇がないです。マイナスなことを考える前に、必要な練習ですね。考える前に体を動かす。なので、自ずと結果も付いてくるんですよね。

変に考えるとプレッシャーを感じてしまうんですけど、それがなかったので。本当に目の前の種目をやっていく。
エクストボーイ
なるほど、まずやってみる(笑)。しかし初心者が興味を持っても難しそうだ。
津吹さん
津吹さん
初心者の人にも「やってみよう!」って促しますよ。怪我をしないようにフォローしながら、とりあえず全部体験してみて欲しいですね。

槍もまあ投げられるし、砲丸も4kgなので、投げられると思うんですけど、意外とハードルが要注意な種目で。
エクストボーイ
ハードルって小学校とかでもやるし、1番簡単そうだと思ってました。
津吹さん
津吹さん
陸上のハードルって高さが約84cmあるんで結構高いんですよ。そこに全速力で向かっていって飛ぶので、私も特に気をつけている種目です。

文字通りハードルが高い!

エクストボーイ
本当だ、腰の上まである…。こんなにハードな競技を7つもやるとなると、かなり体力つきそうですね!
津吹さん
津吹さん
あの、疲れないんですよ!練習ない日って、普通に生活してるだけだと全く疲れないんですよ。夜寝れないくらいです。
エクストボーイ
それは羨ましいですね。僕すぐ疲れちゃうんで、七種競技やろうかな。
津吹さん
津吹さん
体力すごくつきますよ!あとは、信号は、青になったら1番早く渡り切りたいです。変わった瞬間に出たいんですよね、「ヨーイドン」みたいな(笑)。
エクストボーイ
アスリートが日常でついつい出ちゃうクセなんですかね(笑)。
津吹さん
津吹さん
あとは、ハードルくらいの高さのものがあると、ハードル跨ぎしちゃうとか(笑)。ドリルっていう種目ごとの練習があるんですけど、電車の待ち時間にそれやっていたり。階段もすごく早く降りますね。

「やってるな自分」と思いながらやっちゃいます。よく考えると結構出てますね(笑)。
エクストボーイ
(笑)。日常でもバンバン競技グセが出てるみたいですが、七種競技をやったことでメンタル面でもやっぱり変わりましたか?
津吹さん
津吹さん
出来ないと思うことが減りましたね。とりあえずやってみる。諦める時は、他の人からの評価で諦める(笑)。心身ともに本当に強くなりました。
エクストボーイ
なるほど、具体的に七種競技の何が強くしてくれたと思いますか?(というか特にキツイ競技ってなんだろう…)
津吹さん
津吹さん
どんなに前の種目の結果が悪くても次の種目も出ないといけない。1種目で終われないんです。それと、七種競技って、最後に800mを走るんですよ。絶対嫌でも、あるんですよ。

私はだいたい100m17秒目標で走るんですけど、これが本当にキツくて、他の陸上選手も「800mがなかったら七種競技をやっても良い」っていうくらいこの種目が肝で。これを走らないと終われないんです。
エクストボーイ
これは確かに強くなりそう…。
津吹さん
津吹さん
もしそこまでで、他の選手に差がついてたら、疲れ切っているなか、勝つために17秒より早く走らないといけないっていうプレッシャーもありますし。最後はちょっと考えますね。
エクストボーイ
ちなみに、お気に入りの種目とかあったりするんでしょうか。
津吹さん
津吹さん
もともと走高跳び好きだったので、走高跳びと、あとはやり投げが好きですね。

やり投げ練習中の津吹さん

エクストボーイ
やり投げですか?
津吹さん
津吹さん
普段あんなに暴力的なことして、褒められる場面ってないじゃないですか(笑)。砲丸もそうですね。

別に普段暴力的になりたいとかじゃないですけど、思いきり力を出す瞬間っていうんですかね。他の女の子もたくましいですよ!それに、ストレス発散にもなるのでおすすめです(笑)。
エクストボーイ
確かにそうかもしれないですね(笑)。

「やり投げおすすめです。」

エクストボーイ
最後に、今後やっていきたいことや目標をお聞きしたいです!
津吹さん
津吹さん
やっぱり陸上七種競技を広めていきたいですね。最近、後輩たちが頑張っているのを見てるのが嬉しくて。そういう後輩たちが安心して続けられる環境づくりとかに少しでも力になれたらと思います。

ヨーロッパだと陸上はとても人気なので、追いつきたいですね!もっと注目してもらえるように、私の出来る活動をしていきたいです。
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津吹 アイリ
元陸上七種競技選手
神奈川県出身。1994年9月14日生まれ。東京学芸大学大学院、在籍。 元陸上七種競技選手。中学生の頃から陸上をはじめ、大学院まで続ける。その後は陸上七種競技の一般認知を目指し、テレビ出演やイベント参加など、活動の幅を広げている。