調香師 / 星詠み研究家Chiyo

社長賞まで受賞したカウンセリング力が強みの調香師 / 星詠み研究家 Chiyo

化粧品会社で売上トップにまでなった、元凄腕美容部員で調香師のChiyoさんが展開する香りの世界観、そして占星術とフレグランスをかけ合わせた新たな香りの可能性とは。
エクストボーイ
調香師ってどういうお仕事なんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
香りを作る人です。テーマがあって、そのイメージに近づけるようにイメージを深掘りしていく右脳的な部分と、それをどの香りをどういう分量で組み合わせて作っていくかという左脳的な仕事の掛け合わせで成り立っています。
エクストボーイ
広く「香り」というものに関心をもつきっかけになったのはいつですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
高校を卒業した後に、美容の専門学校に進みました。
その時のインターンシップで美容雑誌の編集プロダクションのアシスタントをやっていたんです。アシスタントでついた方が香水に詳しい人で、香水のムック本を一緒に担当させていただきました。その時に一冊でだいたい250本くらいの香水を取り寄せて文章を書くという仕事を経験したのが最初だと思います。
エクストボーイ
そのとき「香り」という対象は、どういう印象として残ったんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
それまでも「いい匂いだな~」と香水に触れる機会というのはあったんですけど、単に「いい匂い」だけじゃなくて、それぞれの香水にストーリーがあってそれがとても面白いなと思ったんですね。
エクストボーイ
なるほど、ストーリーですか。
Chiyoさん
Chiyoさん
担当していたのがメンズのフレグランスだったんです。
メンズの香水っていうと「爽やかな感じ」とか「色気がある香り」とかそれぐらいしか分からなかったのですが、1つ1つ会社のプレスリリースを見ていくと、例えば「ひんやりとした氷のようなクールな香り」があったり、「デニムの後ろポケットにしのばせたウォッカの香り」があったりと、それぞれの香水の持つ物語性の奥深さに魅了されました。

そして、確かに実際に嗅いだらその印象がわかったというか、感じ取ることが出来ました。それぞれの香水に描きたいストーリーがあって、目に見えないけれど、それが感じられるというところに面白さを感じました。

女性は髪にふわっと香りをつけるのがさりげなくて好印象なのだとか。

エクストボーイ
学校を卒業してからは、どうされたのでしょう?
Chiyoさん
Chiyoさん
インターンで経験したこともありライターの仕事も興味はあったのですが、結構厳しい世界というのも感じたので、大手の化粧品会社に就職しました。
エクストボーイ
化粧品会社では、香りに関わることはあったのですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
もちろん自分の売っている化粧品の中に香水もありましたが、3〜4年くらいはそこまでディープに関わることはなかったですね。
エクストボーイ
3〜4年経って、何か転機があったんですね。
Chiyoさん
Chiyoさん
化粧品の販売員をやっていたのですが、仕事内容が自分の性に合っていたようでかなり実績を積むことができました。有り難いことに社長賞を頂いたりして、売上No.1にもなったんです。
エクストボーイ
トップセールスウーマンですね。
Chiyoさん
Chiyoさん
いえいえ、とんでもないです。人が作ったものをそれがどういうストーリーで作られていて、お客さんにはこういうことが必要と語って伝えることは得意になりました。

でも結局誰か他の人が作ったものを扱っているわけで、だんだんそれに面白みを感じなくなっちゃったんですね。
美容の学校に行っていたのもあってコスメが好きだったので、化粧品を自分で作って販売することって出来ないかな〜と思ったんです。
エクストボーイ
なるほど。
Chiyoさん
Chiyoさん
ただ化粧品開発って、どちらかというと理系の仕事だから自分の知識だけでイチからつくるのはちょっと難しいな、と思ったんです。

そのときに香りのことを思い出して、香水って人が纏うことでその人のイメージをより美しくする化粧品や美に通ずることだなと思ったのと、あと何かモノ作りに関わりたいっていうのがあったんですね。で、その両方が実現できるのがフレグランスの世界かも…!と、気付いた瞬間があったんです。
エクストボーイ
モノ作りがしたいっていうのは、何かストーリーがあるんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
美容の学校にいた時に、もともとはメイクアップアーティストになりたかったんです。ただモデルさんの顔を触って化粧するって対人の仕事じゃないですか?あんまり10代の頃はコミュニケーションが得意じゃなくて(笑)。

キレイなモデルさんの顔を触っている間に話さなきゃいけないのは、できないなーって逃げてしまったんです(笑)。
エクストボーイ
そうだったんですか。でも販売員として成功されてるわけですから才能はあったんでしょうね。
Chiyoさん
Chiyoさん
もしかしたらそうかもしれませんね(笑)。 販売員時代は結構厳しく指導していただきましたから、そういう力がついたのかもしれません。
エクストボーイ
それは面白いですね。他に販売員時代に身についたことはありますか?社長賞まで取る販売員のスキルって気になります。
Chiyoさん
Chiyoさん
もともと話すのは苦手だったんですけど、聞く方はまだマシだったんですね。だから聞く力を伸ばそうと思ったんです。それでその時の先輩やトレーナーの方にカウンセリングの方法を結構細かく教えて頂いて、訓練を積みそこが最終的に強みになったと思います。
エクストボーイ
「聞く力」ですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
化粧品のカウンターに来るお客様って、自分が今よりも綺麗になりたいという人と、肌の悩みがあるからそれを改善したいって人っていう2つの基本パターンがあるんです。

何が原因で悩んでいるかわからない状態でくるんですけど、それを細かく質問で掘り下げていくことで本当の悩みに行き着く。それに対する対応策や商品は何かって提案を丁寧に話していくと信頼関係が生まれて、それが売上にもつながっていったんだと思います。
エクストボーイ
そのスキルって今のご活動にも活きていますか?
Chiyoさん
Chiyoさん
そうですね、役に立っていると思います。機械みたいに質問していくことは誰にでもできると思うんですけど、それだと心に寄り添うことが出来ないので、相手を認めながら聞いていくことは重要ですね。

私自身が話すのが苦手だったということもあって丁寧に聞いてくれる人だと話しやすいっていう感覚があったんです。なのでこちらが質問する側というよりは、隣に座って寄り添って話を聞いていく、そんな感覚でした。
エクストボーイ
まさにカウンセリングですね。
Chiyoさん
Chiyoさん
そうですね。なので香りを作るときも、「柑橘系の香りが好き」とお客様が言っても単にそれ以外の香りを知らないから言っている可能性もあるんです。

なんでそれが好きなんですか?と聞いたら「元気な気持ちになれるから」とおっしゃるので、いくつか香りを嗅いでもらっていくと「こっちのほうがより好きな香り」と、だんだん本当に欲しているものがわかってくるので、そういった意味で「聞く力」はかなり役に立っていると思います。
エクストボーイ
お話を聞いていると、匂いって僕たちの生活の中で身近な存在だけど、意外と深く関わる機会が少ない対象かもしれませんね。例えば、そういったあまり香水に対する知見がない初心者の方をお相手するときに心がけていることってありますか?
Chiyoさん
Chiyoさん
あまり専門用語を使わないことです。あまり香りに詳しくない人でも柑橘系の香りだとか、石鹸の香りだとかそういう言葉を使うとなんとなくイメージできると思います。

たぶん「チューベローズの花の香り」とか言ってもわからないと思うんですよ(笑)。 「シプレ調の〜」と言っても「えっ?」ってなると思うので、なるべく分かりやすい言葉から紐解いていくってことは心がけていますね。
エクストボーイ
化粧品の販売員を3〜4年やられて、その後はどうされたんでしょう?
Chiyoさん
Chiyoさん
完全に仕事を辞めて、調香の専門学校に2年間行き直しました。
辞めた時点では24〜25歳くらいだったのでいきなり独立することは考えていませんでした。香料会社の調香師という道もあるらしいと聞いて、そちらも検討していました。
エクストボーイ
そうだったんですか。でも結果としては卒業されてから独立されたんですね?
Chiyoさん
Chiyoさん
そうですね、いきなりゼロからスタートは大変だなと思ったので前職を活かした化粧品販売員のトレーナーを並行してやらせていただいて、パラレルキャリア的な感じで始めました。
エクストボーイ
なるほど。香りのほうのお仕事はなにから始めたんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
たまたま在学中に同じ年代で服のブランドを始めてお店を持った人がいたんですよ。そこのお店の一部がサロンスペースになっていて、イベントやワークショップを結構やっていたんですね。

それで雰囲気も近しい感じだったし、香りを作るワークショップをやったら面白いよね、ということで「やってみない?」と言っていただいたのがきっかけです。
エクストボーイ
最初はワークショップだったんですね。
Chiyoさん
Chiyoさん
そうですね、だからもともとは自分で商品を作って売ると言うよりは、ワークショップで香りを作る面白さを知ってもらったり、自分に合う香りを知ってもらったりしました。そこにもカウンセリング要素が入っていましたね。
エクストボーイ
では現在の活動について改めて教えてください。
Chiyoさん
Chiyoさん
今は主にオリジナル フレグランスの制作・販売をしているのと、調香に興味があり自分でアーティストとして活動したいという人を育てるクラスで教えています。

あとは新しい活動として、もともと星詠みをやっていて、二十歳くらいのときからホロスコープを読む勉強をしていたんですよ。
それが今になって繋がり、星詠みと香りを組み合わせたセッションもやっています。
エクストボーイ
星詠みと香りを組み合わせたセッションって、どんなものなんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
12星座をテーマにしたオリジナル フレグランスがあるのですが、それと出生時の星の配置が記載されているひとりひとり違うホロスコープという図を使って進めます。

私のセッションではまず自分の嗅覚というプリミティブな感覚で今どういう状況かを掴んでもらって、それをヒントにホロスコープを読みこんでいくというオリジナルのセッションをしています。
エクストボーイ
どういった方がいらっしゃるんですか。
Chiyoさん
Chiyoさん
最近多いのは、今の現状に満足していないわけではないけれど、もっと良くするにはどうしたらいいかと考えている人が多いです。仕事や恋愛で悩んでいたり、という方がいらっしゃいますね。
エクストボーイ
そのセッションのゴールとしては、香りを1つ作ったり選んだりして持ち帰るってことなんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
12星座の香水とプラスでいくつか香りを用意しているのですが、その中から今の自分の状況をより良くしてくれる要素のある香りを選ぶということをしていただいています。

例えば「さそり座の香り」があるんですけど。いまそろそろレベルアップするタイミングと考えている人がいるとして、だけれど自分の殻を破るのが怖いというときに、自分の中で変わっていく、内側で変容するパワーを認めてあげるような、その助けになるように香りだったりします。
エクストボーイ
なるほどなるほど。
Chiyoさん
Chiyoさん
通常の占いだと、占ってもらったその場ではすごく納得して帰るんですけど、そこから動き出せない人が結構多いんですよね。
そこで香りを選んでもらうと、そのときの感覚を次に香りを嗅ぐタイミングにまた思い出させてくれる、変わろうと思った感覚を取り戻すきっかけになります。

名刺に香水を振り、相手の印象に残すような使い方も。

エクストボーイ
確かに香りって記憶に残りますよね。オリジナルの香水を作るときは何か大事にされていることってあるんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
その人が持っているイメージを深く掘り下げるということです。
エクストボーイ
その人が持っているイメージというのは?
Chiyoさん
Chiyoさん
その人がどんな人になりたいか、ということが重要です。
例えば仕事で人前に立つことが多くて、もっと自信をもって話せるようになりたいとか。どういうシチュエーションで使うか、いわゆるTPPOですね。
エクストボーイ
僕が知ってるものよりPが1つ多いですが、そのPは何なんですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
相手(Person)です。
エクストボーイ
なるほど、時と場所と相手と状況ですか。
Chiyoさん
Chiyoさん
そうですね。特に私はクリアな感じの透明感がある香りを制作するのが得意なので、日常の中でさり気なく存在感を出したいときなどに使っていただける香りが多いかもしれません。
エクストボーイ
どういう人に向けて、香りを作っていきたいですか?
Chiyoさん
Chiyoさん
色々な人と話をして香りを作っていく中で、結構多いのは自己肯定感が低い人です。何か自分を変えたいのだけれど、どうしたらいいかわからずにきっかけを探しにいらっしゃる人が多くて。
そういう方たちが香りをきっかけに自分らしく堂々と輝いていく姿が好きです。
エクストボーイ
Chiyoさんにとって、香りってどういう存在でしょうか。
Chiyoさん
Chiyoさん
自分自身との調和を取るための存在だと思います。香りは内面的な変化を生みますから、より自分らしく生活するための、1つの助けのような存在だと思っています。
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Chiyo
調香師 / 星詠み研究家
1985年生まれ。フレグランス サロン アブラクサス主宰。化粧品会社で美容部員としてトップセールスを誇るなど活躍後、独立。自身のオリジナルブランドやオーダーメイドフレグランスに加え、現在は占星術とフレグランスを組み合わせたオリジナル セッションにて、より豊かな香りの世界を展開している。
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