カフェライターなかくき くみこ

「カフェと人は、どちらも自由で個性的」カフェライターなかくきくみこは「カフェを通じて自由になる」

今日はカフェのエクストルーマー、カフェライターのなかくきくみこさんに取材しました。

みなさん個人経営のカフェって行きますか?僕はなんとなく入りづらいというか、常連さんばっかりなんじゃないかと思って結構躊躇してしまい、結局スタバやドトールに行ってしまうことも多いんですよね。

そんな僕にも合うようなお店を教えてくれそうな、元キャリアカウンセラーでカフェライターのなかくきさんに「カフェと人」についてお話を伺いました。
イマムラ
イマムラ
実際どれくらいの数のカフェに行ったんですか?
なかくきさん
なかくきさん
実は具体的には数えてなくて、だいたい月に40~50軒くらい回っているのを3年間くらい続けているので、たぶん1,200軒くらいかなと思います。
イマムラ
イマムラ
3年前から活動を始めたんですか?
なかくきさん
なかくきさん
そうですね。新卒で人材系の会社に入社して法人営業をしていたんですけど、働きすぎて身体を壊してしまったんです。

身体が治ってからはベンチャーでキャリアカウンセラーをやったりしてたんですけど、3年前からカフェライターをやっています。
イマムラ
イマムラ
カフェはもともと好きだったんですか?
なかくきさん
なかくきさん
いや実は、人生の大半はカフェとあまり関わりがなかったんです。

新卒時代は、今で言うところの意識高い系のサラリーマンで、頂上目指すぞ!みたいな感じだったんですね。
イマムラ
イマムラ
キャリア志向が強いビジネスパーソンだったわけですね。
なかくきさん
なかくきさん
そうなんですよ。会社からも表彰されて、お客さんからの信頼もあったんですけど、身体を壊してしまってバタっと「休職だっ!」ってなったんですね。

それまで、なんというか爆走してて(笑)。仕事ばっかりやってたんです。それで身体を壊したときに、まず散歩ができなかった。それで何か目的があったら歩けるだろうってことで考え始めるんです。
イマムラ
イマムラ
なるほど。
なかくきさん
なかくきさん
その時都立大に住んでたんですけど、ひと駅分歩いたらちょうどいいだろうってことで自由が丘にあるお店を探して、「自由が丘のこのお店に行ってみよう」って歩いてみたんです。

それで行ったらその目的のお店が潰れてて、そこがカフェになってるんです。
イマムラ
イマムラ
最初の目的地はカフェじゃなかったんですね。
なかくきさん
なかくきさん
そうなんですよ。それでじゃあカフェでいいかってことで、そのカフェに入ったんです。そこで同い年のオーナーさんに出会うんですね。
イマムラ
イマムラ
おぉ~
なかくきさん
なかくきさん
私はそもそも飲食店をやっている人に出会うのが初めてで。

そこに毎日通ってる常連さん達も、キャリアを積みたい!みたいな人たちじゃなくて、古着屋さんで働いてるとか、弁護士事務所で働いているとか、病気になっちゃって今働いてないとか、中小企業で経理やクリエーターしてますとか、色んな仕事の人が居たんです。
イマムラ
イマムラ
それまでのビジネスの世界とはかなり違いますね。
なかくきさん
なかくきさん
そう。今まで転職支援の仕事をしてたので、なんとなくいろんな仕事のことを知ったつもりになっていたんですけど、全然一人一人は見えてなかったんですよね。

でも、カフェに居た様々な人達が実際にこうやって生活をしてて、それぞれが自分の人生を楽しく豊かなものにしようっていうふうに考えているのを目にしたんです。そこから「仕事をしていなくても、自分は生きていていいんだ。自分の価値はゼロじゃないんだ。」って思ったんです。
イマムラ
イマムラ
カフェで新しい価値観に触れたんですね。
なかくきさん
なかくきさん
それでカフェが開いてるコーヒーや石鹸作りのワークショップに参加してみたり、自作のシュシュをそのお店に置いてもらって委託販売をして、ハンドメイド作家みたいなことをしてみたんです。

そういう中で「自分のやりたいことを探してみよう」「今を大事にしよう」っていうマインドになっていきましたね。「目標のために今を犠牲にするんじゃなくて、今の自分のために生きてみよう」って思うようになったんです。
イマムラ
イマムラ
それは大きな変化ですね。
なかくきさん
なかくきさん
色んな価値観に触れることで、自分って何が好きなんだろうとか、「ホントに大きな会社で出世したかったんだっけ?」とか考えるきっかえになりましたね。

それまで私の周りには意識高い人ばっかりだったんですけど、カフェに行くと全然違う価値観の人達が大勢いたんですね。それで、当たり前なんですけど価値観って1つじゃないんだって思ってカフェを好きになっていったんです。
イマムラ
イマムラ
そうだったんですか。でもそういうことで悩んでいる人は結構いると思います。
イマムラ
イマムラ
カフェライターになるのはいつ頃ですか?
なかくきさん
なかくきさん
3年前ですね。2015年くらい。
イマムラ
イマムラ
カフェに触れてから、カフェライターになるまでにはどんな経緯があるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
カフェに支えられた経験はあったんですけど、まだカフェを仕事にしようっていう考えは頭の中にはなかったんです。自分はカフェをやるっていうのは向いてないし、カフェに関わる仕事っていうのはあんまりイメージできなくて。

でも何か「好きなことがしたい!」って思ったんです!
イマムラ
イマムラ
カフェでの出会いが原動力だったんですね。
なかくきさん
なかくきさん
それでライターになれるかどうかはわからないけど、最初はとりあえずカフェ行ってみよう!っと思って100~200軒くらい行ってみたんです。

そしたらカフェのオーナー以外にも何かカフェに関われる仕事が見つかるんじゃないだろうか、ニーズを見つけられるんじゃないだろうかって探しにいったんです。
イマムラ
イマムラ
すごい
なかくきさん
なかくきさん
それで色んな所に行っているうちに、だんだんどこに何があるってカフェの情報が自分の中に溜まっていくんですね。

それでちょっとライターできそうかな?って思ったときに、友達に「クラウドソーシングっていうのがあるよ」って教えてもらったんです。

※クラウドソーシング… インターネットを介して仕事を外注したい企業が仕事を掲載し、登録している不特定多数の会員が作業者として業務を遂行するアウトソーシング形態。

なかくきさん
なかくきさん
クラウドソーシングサイトでグルメ系記事のお仕事を探して、依頼主と交渉して「カフェだけの記事をやりたいんです!」って言ってカフェの記事をやらせてもらったんです。

それで一応名実ともにカフェライターになったので、インスタグラムやったりブログを書いたりしてたら、だんだんカフェの記事を書かせていただけるようになったんです。
イマムラ
イマムラ
なかくきさんが考えるカフェの魅力ってどんなところですか?
なかくきさん
なかくきさん
自分の好きとか個性を仕事にしている人に出会えて、それに触れられることです。

特に、席数が10~15席くらいのちっちゃいお店で、オーナーさんがお店に立っているようなお店はオーナーさんの個性が見えて好きです。
イマムラ
イマムラ
場所というよりは人が鍵なんですね。
なかくきさん
なかくきさん
そうですね。場所も関係ないし、料理も関係ないです。こういうテイストのお店が好きっていうのもないです。

その人が自分のやりたいことを表現しているお店が好きです。可愛くなくてもいいんです。
イマムラ
イマムラ
それはちょっと意外ですね。
なかくきさん
なかくきさん
すごく静かで、ずっとネルドリップ入れてるみたいな暗いお店とか。お菓子やドリンクが美味しいお店もいいですし、もっと言えば美味しくなくてもいいんです。

その人がやりたいことをやっているのが、見ていて気持ちいいんです。
イマムラ
イマムラ
いいカフェってどういうカフェですかね?
なかくきさん
なかくきさん
それはもう、その人の好みに合うカフェがいいカフェだと思います。
イマムラ
イマムラ
なるほどぉ、でもそれって結構難しいですよね?それはどうやって見つけるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
なかなか見つからないんですよ。インスタとかで眺めて行ってみても外れるんです。「思ってたのと違う」って。

だから私みたいな人を介して、その人の好みを聞いて、その人に合うカフェを教えてくれる人がいるといいなぁ~とは思ってます。
イマムラ
イマムラ
インスタを中心にカフェ好きの人に会うっていうシリーズをやってらっしゃるじゃないですか。それはそういう意味もあるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
そうですね!会ったときにその人の好きなお店とか、これまで好きだったお店を聞いて、何でその人がその店を選ぶのかっていうことを考えて、「ここのお店好きかもしれない」みたいな話をしてますね。
イマムラ
イマムラ
カフェをたくさん知っているなかくきさんにしか出来ないことですね。
なかくきさん
なかくきさん
結構キャリアカウンセリングと近しいものがあるんですよね。

企業と個人をマッチングするんですけど、例えば「アマゾン行きたい!」って人がいたとして社風ってこうですよとか、あなたの上司になる人こうですよっていうことを伝えると「それだと違うな」とか「その会社知らなかったけどそれがいい!」とかなるんですよ。

それはやっぱり人が介在することによって出せる価値かなぁーというふうに思いますね。
イマムラ
イマムラ
前のお仕事の経験もそこで活きているんですね。
イマムラ
イマムラ
なかくきさんが個人的に好きなカフェってどんなカフェなんですか?
なかくきさん
なかくきさん
オーナーの人柄が好きなカフェですね。

例えば赤井さん好きだし。(取材場所 HOTORi coffee&food のカフェのオーナーさん)
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ホトリ@渋谷(2) . . ゆっくりしたくなって、二杯目。次はほうじ茶ミルク。注文してから少し経つと、キッチンの方からお茶のいい香りがふわりと届く。その感じが幸福。 . いつも窓からは青々とした木々が見えるのだけど、今は外壁工事で見えず。一ヶ月もすればまたいい景色が楽しめるそうだけど、なんだかレアな時に来れたみたいでそれはそれでちょっとうれしい。そんなことを店主さんに言ったら驚いて笑ってた。笑 . ごちそうさまでした。 いい時間をありがとうございます◯ . . @hotori_coffee #渋谷カフェ#女性店主#カフェ#スコーン#おすすめカフェ#カフェ巡り #カフェ好きな人と繋がりたい#hotori #カフェスタグラマー#カフェスタグラム

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HOTORi coffee&food

東京都渋谷区宇田川町6−11 原宿パークマンション109号室

なかくきさん
なかくきさん
そういう人は何人かいて。
COFFEE HOUSE NISHIYAの西谷さんとか、
珈琲日記の小林さんとか、
NORIZ COFFEEの田中さんとか。
イマムラ
イマムラ
個人名で出てくるんですね。
なかくきさん
なかくきさん
そうですね(笑)。お店というよりはその人が好きだから行く感じですね。
イマムラ
イマムラ
コーヒー談義とかするんですか?
なかくきさん
なかくきさん
それもしますね。あとはお店で大事にしていることがなんなのかとか、なんでお店やってるのかとか。

その人のエピソードを聞きたいなって思います。
イマムラ
イマムラ
こだわりのお店って例えばどんなところがあるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
ブックカフェなんですけど、中で喋っちゃダメなんですよ。そこは静寂を楽しみに行くカフェなんです。

ハードに働いてる人とかもいるんですけど、非日常のところにあえて身を置いて、心を落ち着かせることを目的に行くカフェなんですよね。
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静かな一人時間が約束されるカフェ「アール座読書館」を取材しました🔖 . いろんな人からうわさは聞いていて、いつか行ってみたいと思っていたお店。お仕事で伺い、店主さんにこだわりなどについて直接聞くことができて、とても役得だと思いました。心を込めて記事を書かせてもらったのが伝わるといいなぁ。 . 「私語厳禁のお店です」なんて聞いていたから訪問前はちょっとドキドキしたけど、お客さんたちからの希望でそうされたのだそう。 . 一人になってほっと一息つける時間がほしいなという方は、「レッツエンジョイ東京 アール座読書館」で検索してみてくださいね🔍 . 店主さんが温かい心遣いをされる方で、プライベートでもまた伺えるといいなと思いました🌳 . . @lets_enjoytokyo #高円寺カフェ#東京カフェ#中央線カフェ#カフェ#一人カフェ#おひとりさま#ぐるなび#レッツエンジョイ東京#アール座読書館

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アール座読書館

東京都杉並区高円寺南3丁目57-6

イマムラ
イマムラ
なかなか個性的ですね。BGMとかは流れてるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
たしかBGMも鳴ってなくて、店内で鈴虫を飼っているとかだった気がします。
イマムラ
イマムラ
エモい
なかくきさん
なかくきさん
あとは元バリスタのお坊さんがお寺の中で営んでるお店があった。

東京にもお寺カフェって何軒かあるんですけど、だいたいお寺の中に別の建物でカフェやってるところが多いんですけど、そこは普段使ってる本堂で、週に数回法要とかがないときにお坊さんがエスプレッソを入れてくれるんです。

ぼうず’n coffee

東京都豊島区池袋3丁目1-6

なかくきさん
なかくきさん
お寺なのですごく静寂があって、お庭とかも和の趣きなんですよ。そこは大人なカフェって感じで落ち着きます。
イマムラ
イマムラ
お寺カフェっていうジャンルがあるんですね。
なかくきさん
なかくきさん
あとは、夜しか営業していないカフェとか。
イマムラ
イマムラ
夜しかやってないんですか?
なかくきさん
なかくきさん
そう。佇まいの素敵な女性がひとりで営んでいるカフェで、そこは基本的に夜しか営業してないんです。
イマムラ
イマムラ
面白い
なかくきさん
なかくきさん
オーナーが月が好きで「月」をテーマにしているカフェなんですよ。
食事やドリンクの名前も月をテーマにしているんですよ。すごい素敵なアンティークカフェです。

MOON mica takahashi COFFEE SALON

東京都新宿区四谷4丁目28-16

イマムラ
イマムラ
最近のカフェ界に何か思うところありますか?
なかくきさん
なかくきさん
インスタグラムとか流行っているので、フォトジェニックというのはやっぱり1つのトレンドとしてあるんですね。でもアンチも多いんですよ。
イマムラ
イマムラ
写真撮るのが気に入らない、みたいなことですか?
なかくきさん
なかくきさん
そうですね。
イマムラ
イマムラ
それってお店ですか、お客さんですか?
なかくきさん
なかくきさん
お店もですがユーザーも多いと思います。でも私はそれは別に良いと思うんですよ。

フォトジェニックな商品を作るのは企業努力ですし、ユーザーも何を楽しみにカフェに行ってもいいと思うので。
イマムラ
イマムラ
確かに。
なかくきさん
なかくきさん
ただ一部の人ですけど、注文して残して帰るとか、写真ばっかり撮ってて料理が冷めちゃうとかっていうのは良くないかなーって思います。
イマムラ
イマムラ
なるほどぉ。ちなみになかくきさんが次に取り組みたいテーマとかってあるんですか?
なかくきさん
なかくきさん
一番やりたいのは、もっとお店側に寄りたいんですね。
イマムラ
イマムラ
お店側に
なかくきさん
なかくきさん
そう。今は記事を書いたりしてお店とお客さんの仲立ちをしていると思っているんですけど。
イマムラ
イマムラ
そうですね。
なかくきさん
なかくきさん
集客とか商品企画とか、何か課題を解決するようなことをやりたいな~と思っています。お店に対して経営を手助けするようなことをやりたいなぁと。

そうするとカフェの魅力も伸びると思うので、もっとお客さんもカフェを楽しむことができると思うんですよね。
イマムラ
イマムラ
それは重要かもしれないですね。
なかくきさん
なかくきさん
カフェってだいたいどこも課題があるんですよ。お店が混雑しすぎていてオーナーさんが食事をとることもできないなんていうのもありますし。
イマムラ
イマムラ
人気店だとそういう悩みもあるんですね。ご自身で発信も続けていくんですか?
なかくきさん
なかくきさん
そうですね。カフェって人の人生とか心を豊かにするものですから、一人でも多くの人の生活に取り入れてもらえたらいいなと思っているんです。

私が発信をすることでそのお手伝いができればいいなぁと思ってます。

取材・文:イマムラケンタ(@imamurider01

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なかくき くみこ
カフェライター
今まで巡ったカフェは都内を中心に1,000軒以上。新卒でリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)に就職、法人営業を担当し、ベンチャーでのキャリアカウンセラーなどを経てフリーのカフェライターとして複数のメディアで執筆を行っている。ブログ「東京カフェを巡る、小さな旅」を中心に、TwitterやInstagramでカフェに関する情報発信をしている。